「となりのトトロ」と「千と千尋の神隠し」は、同じ発想から派生した別々の物語のように感じる点があります。2つの作品で一番解りやすい共通点といえば「千と千尋の神隠し」に登場する「ススワタリ」です。イガ栗のような形をした黒いお化けですが、「となりのトトロ」にも「まっくろくろすけ」という名前で登場しています。ジブリ作品ではよくあるキャラクターの使い回し?にようにも思えますが、トトロに出てくるまっくろくろすけ(ススワタリ)には手足がありません。また、千と千尋のススワタリは「労働」の代償として湯婆婆が魔法で実体化させているのに対し、トトロの方は昔からこの森に住んでいるという違いがあります。また、2つの作品とも木や森が重要な役割を果たしていて、そこから別の世界への扉が続いています。
都市伝説にあるようにトトロに地獄巡りを描いた原作が本当にあるならば、千と千尋も、まさに千尋の不思議な世界の冒険(地獄巡り)を描いた、別の解釈による作品のようにも思えてきます。トトロがあの世とこの世を結ぶ死神であるなら、カオナシも人間の世界でもなく、湯屋がある世界でもない、また別の世界からやってきた謎の存在です。そして、さつきがトトロとネコバスに乗っているシーンと、千尋がカオナシと海を走る電車に乗っているシーンと重なります。劇場版のトトロでは原作を別の解釈で描き、本題であるはずの地獄巡りの冒険を描ききれなかったため、千と千尋では不思議な世界に迷い込む(地獄巡り)ことから物語を描いたのではないか?つまり、千と千尋は別の解釈によるトトロの続編と呼べる作品なのかもしれません。