千尋が油屋で働きだして間もなくオクサレ様が来店してきます。その容姿は巨大なヘドロの塊にような姿で、とてつもない悪臭を放っています。神とはいえ油屋の従業員たちはにとっては、とても歓迎できないお客様のようです。湯婆婆はリンと千尋を呼びつけて、オクサレ様を大湯で世話するように命じます。千尋はヘドロまみれになってオクサレ様の世話をします。するとオクサレ様の体にトゲが刺さっているのを見つけ、湯婆婆や従業員たちとそのトゲを抜きます。トゲの正体は自転車のハンドルで、オクサレ様の体からは次々とゴミが溢れ出し、オクサレ様は本当の姿を現します。オクサレ様は油屋にお礼にたくさんの砂金を残し、竜の姿になって油屋から飛び去っていきます。この竜は「名のある川の主」だったというのですが、これは大量消費社会に生きるわたしたち現代人への警告ということでしょう。近代文明の恩恵に授かって、贅沢放題の生活をしてきた現代人は、それだけ巨大なゴミ、廃棄物を垂れ流してきたというやましさを象徴しています。いつまでも隠しておきたい文明文化の負の部分がオクサレ様となって具体的な姿となって描かれているのです。その巨大な悪臭を放つヘドロの塊は、大量消費文化を謳歌してきた現代人へ突きつけられたツケなのです。私たち現代人が川や海や大地を産業廃棄物で汚染し続ければ、やがては取り返しのつかない、しっぺ返しを受けることは必至という宮崎駿さんからのメッセージなのです。