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もうひとつのトトロ

となりのトトロには裏設定があると言われています。これは物語の表面上では一切描かれていない、もうひとつの悲しいお話です。宮崎駿氏はその悲しい話を描かないという手法で物語を進めていることは明白なのです。劇場公開から20年以上が経った現在でも、この作品が子供ばかりか大人までをも魅了する作品として君臨している理由なのかもしれません。
となりのトトロという作品の行間を読むことで、もうひとつのストーリーを個人的な解釈から読み解いていますので、ぜひ参考にして下さい。

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トトロは八百万の神

トトロは死神という都市伝説が広まっていますが、映画に登場するトトロは森に暮らす「八百万(やおよろず)の神」というイメージに一番近いのではないかと思います。「千と千尋の神隠し」にも、湯婆婆が経営する温泉旅館たくさんの八百万の神々が体を休めにやってきていましたね。八百万の神の「八百万」とは数が多いことの例えで、古代の日本人は、山、川、巨石、動物、植物といった自然物や、火、雨、風、雷などといった自然現象のなかに「神」が宿ってると考え、常に信仰の対象にしていました。そして、日本は「森の国」と言っても過言ではないほど森の多い国です。日本の国土のうち約7割が森で、例えば森に囲まれているイメージの強いカナダでさえ約5割、アメリカに至っては3割程度なのです。このように日本人の生活と隣り合わせあった森は常に信仰の対象だったのです。しかし、自然は人々に恩恵をもたらすとともに、時には人に危害を及ぼすため、人々はこれを神の「祟り」と呼んで恐れていました。つまり、八百万の神とは、信仰の対象でありながら恐怖の対象でもあったわけです。トトロが死神であれ、神であれ、「八百万の神」という言葉が表すように、「神秘的な何か」であることは間違いないようです。

トトロと森林信仰

昔から私たち日本人は森に対して「神秘的な何か」を感じてきました。森は人間ばかりか動物たちにとって大切な命のゆりかごであり、常に神聖な信仰の対象でもありました。「八百万(やおよろず)の神」という言葉があるように、日本では自然界にたくさんの神が存在していて、これは今でも神道の根本となっています。なかでも森は特別な存在で、日本人の心に今でも息づく「森林信仰」は、「となりのトトロ」という作品と切っても切れない関係があるように思います。「となりのトトロ」では森がとても重要なファクターとして描かれています。また、宮崎監督はトトロという名前の由来に関して「所沢のお化け」とコメントしていますが、森林信仰では「轟(ととろ)」という森の神の名も伝えられていると言います。つまり、トトロの都市伝説にあるように「トトロ=死神」とするより、「トトロ=森の神」という見方もできるわけです。日本人の潜在意識のなかには、森という存在が人間が生きていくうえでいかに大切な役割を果たしているかということが組み込まれています。そして、古代から森は日本人の生活と常に隣り合わせの存在だったと言えるでしょう。もしかするとトトロという存在は森そのものなのかもしれませんね。

もうひとつのトトロ一覧

トトロは八百万の神

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